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Windows3.1
Windows2.11以前は結局ほとんど普及しませんでしたが、米国でWindows3.0がヒットし、Windows3.1が様々なインテル系パソコンで対応され普及しました。MS-DOS上で動作するため16bitの壁は破れませんでしたが、マウスでの操作、グラフィカルなユーザー・インターフェイス(GUI)は、センセーショナルなものでした。
まずは様々な周辺機器の対応と、API(アプリケーションプロトコルインターフェイス;プログラミングする際の取り決め)によるソフトウェア開発の簡便さを提供した事。
MS-DOSアプリでは、例えばワープロならば、対応するプリンタによって、対応するプログラムをそのソフトメーカーが作成せねばなりませんでしたが、Windowsでは、プリンタメーカーがドライバソフトを提供し、アプリケーションソフトメーカーは、プリンタ関連APIを使ってプログラムを作成すれば、Windows対応プリンタ全てに対応する事が出来るようになりました。

しかし、APIが仲介するため、速度が遅くなるという欠点がありました。特にリアルタイム性を求められるゲームソフト等では。WinG等の特殊なAPIも開発されましたが余り採用されず、DOSプログラムとして開発されていました。(Win95時代になり、DirectX(GameSDK)等のAPIが発表されてからは、DirectX対応ゲームソフトは多く開発されています。)
しかし、CPUの世代交代・高速化(80386→486→Pentium→……)やメモリ・HDD・GA等の高速化により、ほとんど気にならなくなっていきました。
 
その他、アプリケーションを同時に幾つも起動出来る便利な「マルチタスク機能」があります。DOS時代は、アプリは1つずつ開始・終了・開始・終了を続けたり、アプリによってはリセットし直し、という事をせねばなりませんでしたが、これが解消されました(メモリ等の許す範囲内で)。ワープロを動かしている途中で、ちょっと表計算をしたり、等という事が出来るようになった訳です。
当時「疑似マルチタスク」と皮肉られる事もありましたが、まぁ、仕事が出来れば良いので、多くの人に受け入れられました。
 
★ ★ ★
 
ソフト開発環境としては当初、DOS版のMicrosoft C (Ver5/6)に「WindowsSDK」(SDK=ソフトウェア開発キット)を付加、という状態でしたが、有名な「Hello,world」表示プログラムを作るのに、DOSなら4行で済む所が100行程も書かないといけない、という事で、なかなかWindowsアプリ開発に移行出来ない人/会社が多かったですが、マイクロソフト社から「Visual BASIC 2.0J(略してVB)」、そして、「Visual C++ 1.0」が発売され、徐々にですが、Windows時代に入りつつありました。
しばらく後にボーランド社からも「Delphi 1.0J」が発売され、VBの対抗製品のような感じで扱われてました。
 
DOS時代は、上から下へ流れるプログラミングスタイルでしたが、Windowsでは、「オブジェクト指向」と呼ばれるクラスやプロパティの定義、イベント定義、を主体としたスタイルに変わり、ちょっとしたカルチャーショックになる人がやはり存在したようです。
 
☆ ☆ ☆
 
それでもまだ、ボード類の周辺機器の追加/設定の難しさ、ネットワーク構築は Netwareやその他に頼らざるを得ない状況、16bitの壁(MS-DOSの存在)、等、まだまだ課題は残されていたのでした。1995年までは。
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