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線分を作図し、拡大表示をしていくと、作図した線分が正常に表示されなくなるのが分かります。これは、絵を描く画面への座標指定をする際、ドット数で指定しますが、この指定出来る数値の範囲が、-32768〜32767 であり、mm値座標に mm-dot比を掛けた数値がこの範囲をオーバーしてしまい、演算のオーバーフロー(桁あふれ)が発生して、異常な計算結果になってしまうからです。
これを防ぐには、画面に表示するビューエリア内に納まる納まるように、ビューエリア外の線はカットしてしまう処理を行います。これをクリッピングと呼びます。
クリッピングの方法は、ビューエリア(青枠のmm値範囲矩形)の外にある線分は表示せず、ビューエリア内に完全に入っている線分はそのまま表示し、ビューエリアと交差する線分は計算をしてビューエリア内の分だけを表示します。その判定と、実際の計算、線分の描画、という3段階の手順が必要になります。
線分とビューエリアとの交差の計算は、勿論、全ての線分について実行しても良いのですが、線分の数が多くなると、計算時間がどんどん掛かっていきます。時間が掛かるという事は、描画速度も遅くなる、という事です。CADで作業をする際、描画速度がかなり遅いとストレスが溜まってしまいます。ですのでなるべく描画速度を速くするために、不必要な計算をしなくても良いように、判定段階が必要になってくるという次第です。
それでは、今回のプログラムです。
【サンプルプログラムのソース】
今回は線分だけですが、円・円弧・点・文字、その他、要素を追加すると、その要素用のクリッピング処理を考慮する必要が出てきます。
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