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最初は電卓代わりBASIC(1)
8bitパソコン(当時は「マイコン」と呼ばれた)が登場した頃、持ち運び可能でポケットにも入るようなコンピュータ、つまり、ポケットコンピュータという物もありました。電卓、関数電卓では、難しい計算式から計算する場合、ノートに途中結果をメモしながら計算しないといけません。例えば、「75*COS(45)+100*SIN(30)+25」のような計算は、「COS(45)」→「*75」→メモ→「SIN(30)」→「*100」→「+25」→「+メモの値」のようにしないといけません。ポケットコンピュータは、この式を直接「75*COS(45)+100*SIN(30)+25」と入力して計算させる事が出来ます。
勿論、TANやLOG等の他の関数や、括弧を使った計算も出来ます。
ポケットコンピュータ(SHARP PC-1360K)
普通の8ビットパソコンでは、起動するとROM-BASICが動き、そのままBASIC言語が使える状態になっています。式の計算をするときには、
PRINT 75*COS(45/180*3.14)+100*SIN(30/180*3.14)+25
のように最初に「PRINT」と半角空白1文字を入れます。最後に改行キー(リターンキー/エンターキー)を押します。「PRINT」の代わりに「?」を使えるパソコンもあります。
? 75*COS(45/180*3.14)+100*SIN(30/180*3.14)+25
SIN関数やCOS関数の中で180で割って3.14(円周率π)を掛けていますが、これは、パソコンでは三角関数は度の値ではなくラジアン値で計算されるためです。
 
パソコンで使える演算は、以下の通り。優先順位が高いというのは、より先に計算される、という事です。


 




 

括弧()で囲まれた式(12+34)*56 (12+34)が先に計算
関数SQR(12.34)*56 SQR(12.34)→×56
 ^ べき乗12^3 12の3乗(123) 結果は1728
 - マイナス符号-12.3 -4 等
 * 掛け算
 / 割り算
12*34 : 12×34 結果は408
12/34 : 12÷34 結果は0.3529…
 \ 整数の割り算100 \ 3 100÷3=33余り1 結果は33
MOD 整数の割り算の余り100 MOD 3 100÷3=33余り1 結果は1
 + 足し算
 - 引き算
12+34 結果は46
56-78 結果は-22
(※更に関係演算子・論理演算子が続きますが、ここでは省略します)
 
パソコンで扱える関数は、以下の通り。〜部に不正な値を指定するとエラーするものもありますので注意して下さい。
ABS(〜)絶対値 〜部の絶対値を返します。
ABS(10)→10、ABS(-20)→20
ATN(〜) 逆正接(アーク
タンジェント)
逆正接値(tan-1)をラジアン値で
返します。値の範囲:-π/2 〜 π/2
COS(〜)余弦(コサイン) 〜部(ラジアン値)の余弦を返します。
COS(30/180*3.14) COS(3.14/4)
EXP(〜) e(自然対数の底)
に対する指数関数
自然対数eの〜乗 の値を返します。
EXP(3)→e3→20.855…
FIX(〜)実数の整数部 〜部の小数点以下を取り去った値を
返します。 FIX(12.345)→ 12
FIX(-12.345)→ -12
INT(〜) 小数点以下を切り
捨てた整数値
〜部の値を超えない最大の整数値を
返します。 INT(12.345)→ 12
INT(-12.345)→ -13
LOG(〜)自然対数 〜部の自然対数(底はe)を返します。
LOG(10)→loge10→2.3025…
RND乱数 0以上1未満の乱数を返します。
RANDOMIZE命令で乱数系列を変更可
SGN(〜)符号を取得 〜部の符号を調べ、数値で返します。
正→1 ゼロ→0 負→ -1
SGN(10)→ 1 SGN(-20)→ -1
SIN(〜)正弦(サイン) 〜部(ラジアン値)の正弦を返します。
SIN(30/180*3.14) SIN(3.14/4)
SQR(〜)平方根(ルート) 〜部の平方根値を返します。
SQR(2)→ 1.414…
TAN(〜) 正接
(タンジェント)
〜部(ラジアン値)の正接を返します。
TAN(30/180*3.14) TAN(3.14/4)
(※更に数値変換系の関数や文字列関係等の関数がありますが省略します)
(NEC PC-9801/N88-日本語BASIC(86)(MS-DOS版)6.0の場合)
 
これ以外は、関数を組み合わせて式を作ります。
例えば、常用対数(10を底とするlog;log10)はありませんが、変換式 log10〜=(loge〜)/(loge10) を使って表現出来ます。
log10123の値が知りたい? LOG(123)/LOG(10)

二次方程式の解を計算したい場合には、

となりますので、例えば「2x2-6x+3=0」の解の計算式は、「a=2、b=-6、c=3」となりますので、以下のようになります。
? ( -(-6)+SQR( (-6)^2 - 4*2*3 ) ) / (2*2)
? ( -(-6)-SQR( (-6)^2 - 4*2*3 ) ) / (2*2)
計算式では±の表現は出来ませんので、+の場合と−の場合の2つに分けて計算する必要があります。また、式を見易く分かり易くするために半角空白を付ける事が出来ます。
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