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さて、これまでは基本的な事と簡単なお絵描きプログラム作成について述べましたが、これからいよいよ、CAD作りを始めていく事にしましょう。
「絵の作図」の章で既に述べた通り、Delphiで絵を描く座標値は、ドット値(ピクセル値)で行う訳ですが、CADで座標を指定する場合には、mm、m、インチ、等々、で行います。基本的には、mmで行う事にして、その他は、キー入力や寸法表示の際に換算するようにします。ややこしくなりますから、mやインチ等は後で考える事にして最初はmmだけで考えましょう。
まずは、1ドット(ピクセル)=1mm と考えてみて下さい。画面の解像度が「1024×768ピクセル」であれば「1024mm×768mm」ですね。ちょっと違和感があるかもしれませんが、本当にそんな大きさのディスプレイがあれば、横1mのモノがそのまま画面で見れますが、なかなか難しいでしょう。それでは、半分の大きさ「512mm×384mm」のディスプレイがあるとします。1ドット=1mmであれば、横1mのモノは全部見えません。しかし、1ドット=2mmであれば、横1mのモノは全部見えます。
1ドットを何mmにするか、逆に、1mmは何ドットになるか、という比率を保持する必要があります。この比率を保持する変数を「mm_dot」とし、mm値にこれを掛けるとドット値になる、という具合にします。
○○(mm)×mm_dot=△△(dot)
ドット値が分かっていて、それをmm値に換えたい場合には
△△(dot)÷mm_dot=○○(mm)
となる訳です。
1ドット=1mm の場合、mm_dotは「1」
2ドット=1mm の場合、mm_dotは「2」
1ドット=2mm の場合、mm_dotは「0.5」
となります。
例えば、CADでマウス指示を行って作図する際、マウス指示された座標値は、ドット値です。これをmm値に換算する必要がありますので、マウス座標値(dot)÷mm_dot=CAD座標値(mm) のようになります。また、寸法を数値入力する場合には、mm値で入力をして、画面ドット値に換算して、画面表示を行う事になります。この場合は、入力する寸法値(mm)×mm_dot=画面ドット座標値 のようになります。
掛け算・割り算は、簡単な計算ですが、ちゃんと考えをまとめておかないと、こういう事でややこしくなって混乱してしまう場合もありますので注意して下さい。
なお、他の単位系を利用したい場合には、例えば「m」で行う場合、
m値入力 → m値からmm値へ換算 → <処理>
<処理> → mm値からm値へ換算 → m値で表示
のようにして、換算比率を変数で保持し、処理すれば良いでしょう。
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