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STEPは、機械系3次元CADで最近実装されはじめ、建設CALS/ECでも採用されると決まったように、昨年から特によく聞くようになってきました。ここではSTEPの概要について述べておきます。
 
STEPとは?

STEPとは、ISO 10303の愛称のようなもので、STandard for the Exchange of Product model dataの略です。ISO TC184/SC4で協議・活動等が行われています。この規格は、製品モデリングの表現及び交換を行うための規格で、1988年にSTEP第1版が出来、1990年に分冊化され、今現在も徐々にIS化が行われています。
 
STEPは、主に、統合化一般リソース、統合化アプリケーションリソース、アプリケーションプロトコルに分類されます。統合化一般リソースは、例えば会社名や組織、直線や円といった製品についての細かい部分の辞書になります。統合化アプリケーションリソースは、もう少し大まかな一般表現、例えば、製図について、等の辞書になります。アプリケーションプロトコル(AP)は、業種別モデルについて記述されます。例えば、自動車関係ならばAP214、のようになります。また、AP201、AP202、AP203はそれぞれ、2次元製図、2次元投影、3次元、のように扱われています。
 
パート毎に別々の冊となっていまして、それぞれそれなりの分量があります。パートは主に、以下のようになっています。
(※これは私が訳したもので、JISで記載されている内容ではありません)
パート  1:概観及び基本的原則
パート 11:記述方法:EXPRESS言語リファレンスマニュアル
パート 21:実装方法:交換構造の明確な文字符号化
パート 22:実装方法:標準データアクセスインターフェイス
パート 31:順応テストの方法論及びフレームワーク:一般的概念
パート 32:順応テストの方法論及びフレームワーク:
       テストする研究所及びクライアントでの要求
パート 41:統合化一般リソース:製品記述及びサポートの基本
パート 42:統合化一般リソース:幾何形状的及び位相的表現
パート 43:統合化一般リソース:表現構造
パート 44:統合化一般リソース:製品構造構成
パート 45:統合化一般リソース:材料
パート 46:統合化一般リソース:視覚的表示
パート 47:統合化一般リソース:形状の偏差許容値
パート 49:統合化一般リソース:プロセスの構造及びプロパティ
パート101:統合化アプリケーションリソース:製図
パート104:統合化アプリケーションリソース:有限要素分析
パート105:統合化アプリケーションリソース:運動学
パート201:アプリケーションプロトコル:明確な製図
パート202:アプリケーションプロトコル:関連付製図
パート203:アプリケーションプロトコル:構成制御設計
パート207:アプリケーションプロトコル:薄板ダイス企画及び設計
 
パート 41〜 : 統合化一般リソース
パート101〜 : 統合化アプリケーションリソース
パート201〜 : アプリケーションプロトコル
パート301〜 : 抽象テスト
パート501〜 : アプリケーション解釈構造

アプリケーションプロトコルには、ARMとAIMがあり、ARMにはその分野の技術的に重要な情報が記述され、AIMにはARMの制約条件情報が記述されます。
 
EXPRESS

STEPは、まぁ、CADでの製品データの表現や、CAD間での製品データ交換で利用されるのですが、当然、コンピュータの理解出来る形になっています。コンピュータで理解出来る言語、プログラミング言語としてBASIC、C、FORTARN、Pascal等があるのと同様に、STEPを記述するための言語があります。それがEXPRESS言語というものです。ややPascalライクな言語ですが、STEP文書にはこのEXPRESS言語で辞書が記述されています。また、図解するための EXPRESS-Gも書かれている事があります。
EXPRESS言語の文法は、「ISO 10303-11」に記述されています。
 
STEPファイル

CAD間でデータを受け渡しするためには、当然、ディスク等に出力するか、何かをしないといけません。ディスク等に出力するには、データファイル等にする必要があります。そのデータファイルにするための規格が「ISO 10303-21」です。ここに、EXPRESSからファイルに置き換えるための仕様や、どういう風なファイル内容になるのか、等が書かれています。
なお、どういった内容が書かれるのかは、どんなアプリケーションプロトコルを使っているかに依存します。例えば、図形の情報を出力したいのであれば、最低限、パート42はサポートされている必要があります。
STEPの各パートは色々と参照し合っています。例えば、STEP AP202対応、となっていても、ISO 10303-202の文書だけを読めばいい、という訳ではなく、AP202は、パート101,41,42,43,44,46,を参照していますし、当然の事ながら、STEPの概要のパート1、EXPRESSのパート11、ファイル形式の為のパート21、を理解していないといけません。また、STEP以外のISO規格でも、ファイル出力の際にはSTEP形式で出力する、となっているものもあります。またSTEPでも、日本語を出力したい、となると、マルチリンガルのための規格 ISO 10646を参照するようになっていますので、ISO 10646をちゃんとチェックしないといけません。勝手にシフトJISなんかで出しちゃダメです。
 
ISO 10303-21でのファイル形式(STEP21形式と呼ばれる事もある)は、アスキーテキストファイルであり、以下のような構成になります。
ヘッダー部
データ部

ヘッダー部には、ファイル記述、ファイル名称、ファイルスキーマ、が記述されます。おおよそ、以下のような感じになります。
ISO-10303-21;
HEADER;
FILE_DESCRIPTION(('Sample Data'),'1');
FILE_NAME('Sample File 1','2000-01-20T17:00:00',
('AF'),('AFsoft'),'AFxxx','ReleaseX','Approved by AFsoft');
FILE_SCHEMA(('EXAMPLE_GEOMETRY'));
ENDSEC;

データ部は、各種リソースやAPの辞書や自作したスキーマのコマンドやパラメータを使って記述していきます。かなり適当ですが以下のような感じです。
DATA;
#1=POINT(0.0,0.0,0.0);
#2=POINT(100.0,200.0,300.0);
#3=POINT(500.0,600.0,700.0);
/*
    Triangle
*/
#10=LINE(#1,#2);
#20=LINE(#1,#3);
#30=LINE(#2,#3);
ENDSEC;
END-ISO-10303-21;
←この場合のEXPRESSでの定義は
ENTITY point ;
 x , y , z : REAL ;
END_ENTITY ;
 
ENTITY line ;
 p1 , p2 : point ;
END_ENTITY ;
 
のようになっています

で、このPOINTやLINE等のような絵に関わるコマンドは、ISO 10303-42に書かれています、という事で、製図一般についてならばISO 10303-101、さらには、ISO 10303-202や203、という風になります。なお、上記の#の番号は、10の次が1000であっても構わないし、1000の次が5でも構いません。参照ポインタのようなものです。
 
※STEPの詳細については、書籍ページに書いてあるSTEP関連の書籍や、日本規格協会で購入出来るISO 10303関係の書類を参照してください。
 
STEP(ISO 10303)は、「JIS B 3700」としてJIS化しつつあります。このうち、パート1、パート11、パート31、パート101、については、「JISハンドブック2001M産業オートメーションシステム」(日本規格協会)に和訳がありますので参考になると思います。
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